最近読んだ本の紹介今日は読んだ本について、紹介します。 傲慢と善良という本です。 ★こんな人におすすめ ・20代・30代・40代の結婚を意識している、考えている人 ・理想の相手がわからなくなっている人 ・年頃の子どもを持つ親 ★主要な登場人物 西澤架(にしざわ かける)・・・39歳。東京生まれでルックスが良いが、周りの友達はみんな結婚していて、自分だけ独身でいることに気づいてしまう。 坂庭真実(にわさか まみ)・・・35歳。群馬の前橋で育ち、とても真面目な性格である。進学先なども、すべて母のいう通りにして生きてきた。 ★あらすじ それぞれ30代の西澤架と坂庭真実は、婚活アプリで知り合い、一緒に住んでおり結婚も決まっていた。互いに充実した日々を過ごしていると思っていた。しかしある夜、真実は突如として失踪するのだった。 彼女の居場所を探すため架は、彼女が秘密にしていた過去とある真実を知ることになる…。 ★ポイント ある冬の出来事で、9月に結婚披露宴をひかえた中で、ある日突然に坂庭真実は姿を消してしまった。 35歳の彼女と、イギリスの地ビールを専門に取り扱う代理店を父から継いだ39歳の西澤架とがおりなす、「婚活」をテーマに人生における選択の迷いや辛さ、難しさが描かれる物語。 未婚における田舎の閉鎖コミュニティ内での世間体、反対に都会ならではの広いコミュニティにおける 結婚に対する考えの違い。 ★感想 30代後半ともなると「結婚」というものが大きく重い存在になってくる。友達、家族、職場の同僚からの言葉に心をわしづかみにされ、チクチクと刃を突き立てられる。結婚をしなければという焦りと、婚活がうまくいかない困難さと疲労感が物語からも伝わってくる。 結婚という要素と、婚約者の失踪というミステリーの要素が掛け合わせることで、知っているようで見えていなかった、心の内に潜んでいる本音が見えてくる。それと同時に自身の怠慢さや傲慢さに気づいていく。 婚活を通して、その人の内面をあぶりだし、人を好きになるとき、選ぶときに、してはいけない教訓を教えられているようでもある。 なんとなく、本屋で1〜2ページ読んで買い、恋愛系なのかなと思ったら、意外と中身は現代の田舎と都会に おける婚活市場の現実がリアルに書かれているように感じました。 人間の傲慢さ、自分の理想と現実のギャップに苦しむアラサー、アラフォーのリアルがひしひしと伝わります。 人間がたまに思う感情、「なんかぴんと来ない」といった言語化がしづらい感情の言語化がとても上手で もやもやした感情の言語化の良い見本になるかとも思った。 本の前半は男目線、後半は女目線の描かれているが、前半のが自分的には面白い。 ただ、タイトルにもあるように、「傲慢と善良」これがどこででてくるのか、読んでくると分かるが 最後には、こういうオチになるのかと予想に反してきます。 ネタバレはしませんが、気になったら手に取ってみてください。 本屋に行けば、新作文庫本コーナーにあるはずです。 |